音感は大人になってからでも鍛えられる
「自分は音痴だから…」「音感がないから楽器は無理」と思っていませんか?音感は生まれつきの才能ではなく、トレーニングで鍛えることができるスキルです。
特に「相対音感」は何歳から始めても確実に鍛えられます。絶対音感は幼少期(6〜7歳まで)に音楽教育を受けていないと身につきにくいですが、相対音感は大人でも練習次第で身につきます。そして、実際の音楽活動で役立つのは相対音感のほうです。
この記事では、具体的な音感トレーニングの方法を、初心者でも実践できるようにまとめました。
絶対音感と相対音感の違い
絶対音感とは
何の基準もなしに「あ、この音はド」と分かる能力。幼少期の音楽教育で身につくもので、大人になってから習得するのは非常に難しいとされています。
相対音感とは
ある音を基準にして「この音は基準より3度高い=ミだ」と判断できる能力。こちらは何歳からでもトレーニングで鍛えられます。実際の演奏やアンサンブルでは、相対音感のほうが重要な場面が多いです。
メロディを聴いてすぐに楽器で再現できる(耳コピ)
歌のキーを変えて歌える
他の楽器の音に合わせてハモれる
楽譜を見ただけで頭の中で音が鳴る(読譜力UP)
チューニングのズレに気づける

音感トレーニング 基礎編(初心者向け)
ステップ1:ドレミを歌う
ピアノやキーボード(アプリでもOK)でドレミファソラシドを弾きながら、同じ音程で声に出して歌います。まずは「正確な音を声で出す」練習が音感トレーニングの出発点です。最初は合っているか分からなくても、続けているうちに感覚がつかめてきます。
ステップ2:音程の幅を覚える
ド→レ(2度)、ド→ミ(3度)、ド→ソ(5度)など、音と音の間隔を体で覚えていきます。有名な曲の出だしを利用すると覚えやすいです。
2度(ド→レ):「きらきら星」の出だし「き・ら」
3度(ド→ミ):「聖者の行進」の出だし
4度(ド→ファ):「結婚行進曲」の出だし
5度(ド→ソ):「スターウォーズ」のテーマ
オクターブ(ド→高いド):「虹の彼方に」の出だし
ステップ3:単音当てクイズ
誰かにピアノで1音弾いてもらい、何の音か当てる練習。最初は「ド」を基準音として弾いてもらってから別の音を弾いてもらい、相対的に何の音かを判断します。アプリを使えば1人でも練習できます。

音感トレーニング 実践編(中級者向け)
耳コピに挑戦する
好きな曲のメロディを聴いて、楽器で再現してみましょう。最初はサビの最初の4小節だけでOK。1音ずつ「この音はさっきの音より高い?低い?」と考えながら探っていきます。
コード(和音)の聞き分け
メジャーコード(明るい響き)とマイナーコード(暗い響き)の違いを聞き分ける練習。慣れてきたらセブンスコードやディミニッシュコードなど、より複雑な和音にも挑戦しましょう。
リズムの聞き取り
音感は音程だけではありません。リズムパターンを正確に聴き取って再現する力も重要です。曲を聴いて手拍子でリズムを叩く練習は、簡単に始められて効果が高いです。
移調(キー変更)の練習
知っている曲を別のキーで歌ったり弾いたりする練習。相対音感が鍛えられる効果的なトレーニングのひとつです。「ハッピーバースデー」をCメジャーで弾いた後、Gメジャーでも弾いてみましょう。
日常でできる音感トレーニング
通勤・通学中にできること
音楽を聴きながらメロディをハミングする、ベースラインだけを聴き取ろうとする、曲のキーを当てようとする。「意識して聴く」だけで音感は少しずつ鍛えられます。
日常の音に耳を傾ける
電子レンジの「ピー」は何の音?踏切の音は?身の回りの音の音程を当てようとする癖をつけると、音感トレーニングが日常に溶け込みます。
おすすめの音感トレーニングアプリ
Perfect Ear
音程・コード・リズムのトレーニングが1つのアプリで完結。レベル別にカリキュラムが組まれているので、初心者でも迷わず進められます。無料版でも十分使えます。
EarMaster
音楽学校でも使われている本格的な耳トレアプリ。音程、和音、リズム、メロディの聞き取りなど、網羅的にトレーニングできます。
音感トレーニング(無料アプリ)
シンプルな単音当てクイズから始められる日本語対応アプリ。通勤中のスキマ時間にサクッと練習できます。
音感トレーニングは筋トレと同じで、効果が実感できるまでに時間がかかります。最低でも3ヶ月は継続しましょう。1日5分でも毎日続けることが大切です。「全然分からない」と感じても、脳は着実に音を学習しています。

音感トレーニングの理論的な背景は音楽之友社の書籍が詳しいです。耳コピのやり方はSleepfreaksのチュートリアルが分かりやすいですよ。音楽理論の基礎はmusictheory.net(英語)でも無料で学べます。
よくある質問
Q. 音痴は治りますか?
ほとんどの場合、治ります。いわゆる「音痴」は、音程が聴き取れないのではなく、声のコントロールが未熟なだけであることが多いです。音感トレーニングと発声練習を組み合わせることで改善できます。
Q. 楽器を弾かなくても音感は鍛えられますか?
鍛えられます。歌うこと、アプリでのトレーニング、意識的に音楽を聴くことなど、楽器がなくてもできる方法はたくさんあります。ただし、楽器を使ったほうが効率は上がります。
Q. 絶対音感と相対音感、どちらが役に立ちますか?
実際の音楽活動では相対音感のほうが汎用性が高いです。絶対音感は便利ですが、移調楽器の演奏時にかえって混乱するケースもあります。相対音感をしっかり鍛えるほうが実践的です。
まとめ:1日5分の音感トレーニングで音楽がもっと楽しくなる
音感は才能ではなく、トレーニングで鍛えられるスキルです。相対音感を鍛えれば、耳コピができるようになり、アンサンブルで周りの音が聴こえるようになり、音楽の楽しみ方が格段に広がります。まずは「ドレミを歌う」ところから始めてみてください。


