ボイトレの基礎練習として多くのプロが実践しているのが「リップロール」です。一見ただ唇をブルブルさせているだけに見えますが、実は発声に必要な呼吸・脱力・音程コントロールを同時にトレーニングできる超優秀な練習法です。この記事では、リップロールの正しいやり方から効果、できないときの対処法まで詳しく解説します。

🎤 上達を止めてるのは、才能じゃない
歌の上達を止めるのは才能ではなく、声を出せる場所がないという現実です。防音グッズと録音手段がそろうだけで、練習できる日数は目に見えて増えます。まずは自宅で声を出せる状態を作ってみませんか。

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リップロールとは?
リップロールとは、閉じた唇に息を当てて「ブルルルル」と唇を振動させながら声を出すボイストレーニングの一種です。英語では「Lip Trill(リップトリル)」とも呼ばれます。息の圧力が適切でないと唇の振動が止まってしまうため、自然と正しい息の使い方が身につくという仕組みです。
プロの歌手やボイストレーナーの多くが、歌う前のウォーミングアップとして取り入れています。歌手だけでなく、声優や役者、アナウンサーなど「声のプロ」が幅広く活用している発声練習法でもあります。
リップロールを含めた発声練習の全体像を知りたいなら、図解の入ったボイストレーニングの本を1冊手元に置いておくと、練習の順番や目的が整理しやすくなります。
リップロールで得られる5つの効果
リップロールが多くのプロに支持される理由は、一つの練習で複数の効果が得られるからです。
効果1:息の量と圧力のコントロール力が向上する
リップロールは、息の量が多すぎても少なすぎても唇の振動が止まるという特性があります。そのため、続けているうちに自然と安定した息の量で声を出せるようになります。この「息のコントロール」は歌の基礎中の基礎であり、声量の安定やロングトーンの持続力にも直結します。
効果2:喉の脱力につながる
リップロールをしている最中は、喉に力が入っていると唇がうまく振動しません。つまり、リップロールが安定して続けられるようになること自体が、喉がリラックスしている証拠になります。喉の力みを取りたい方には特に効果的なトレーニングです。
効果3:音域が広がる
リップロールをしながら音程を上げ下げすると、地声から裏声への移行がスムーズに行えます。声帯への負担が少ない状態で高音域の練習ができるので、無理なく音域を拡大するトレーニングとして活用できます。
効果4:声帯のウォーミングアップになる
リップロールは声帯に適度な振動を与えながらも、直接声を出すよりも負担が少ないです。いきなり歌い始めると声帯に急な負荷がかかりますが、リップロールでゆっくりウォーミングアップすることで、本番での声の出やすさが格段に違ってきます。
効果5:地声と裏声の切り替えがスムーズになる
リップロールで低い音から高い音まで一息で上がっていくと、地声と裏声の切り替えポイント(ブリッジ)がなめらかになります。声区の移行をスムーズにするトレーニングとして、プロのボーカリストも日常的に取り入れている方法です。


リップロールの正しいやり方
リップロールは簡単そうに見えて、コツを押さえないとうまくできないことがあります。正しい手順を確認しましょう。
ステップ1:唇を軽く閉じる
唇は軽く合わせるだけでOKです。力を入れてぎゅっと閉じると振動しないので、リラックスした状態を保つことがポイントです。唇が乾燥しているとうまく振動しないので、事前にリップクリームや水で唇を潤しておきましょう。
特に冬場は、唇の乾燥だけでリップロールが続かなくなることがあります。練習用に1本、カバンやピアノの上に置きっぱなしにしておくと使い忘れがありません。
ステップ2:息を吐いて唇を振動させる
閉じた唇に向かって息を吐きます。すると「ブルルル」と唇が振動します。最初は声を出さず、息だけでブルブルさせる練習から始めましょう。安定して振動が続くようになったら、次のステップに進みます。
ステップ3:声を乗せてリップロール
唇の振動が安定したら、そこに声を乗せます。「ブー」という感じで、息と一緒に声を出します。最初は低めの音で始めて、慣れたら少しずつ音程を上げ下げしてみましょう。
ステップ4:音階練習に発展させる
ドレミファソラシドをリップロールで歌います。上行だけでなく下行もやりましょう。さらに「ドミソドソミド」のようなアルペジオ(分散和音)にも挑戦すると、実践的な発声トレーニングになります。
- 息の量は「ため息をつくくらい」のリラックスした量でOK
- 頬を少し膨らませるイメージで行うとやりやすい
- 1セット30秒〜1分を、3〜5セット行うのが目安
- 歌う前のウォーミングアップとして、本番前に必ず行う習慣をつけよう
リップロールができない場合の対処法
「やってみたけど唇が振動しない」という方も意外と多いです。できない原因はいくつかあるので、一つずつ試してみましょう。
唇に力が入りすぎている
唇を固く閉じすぎると振動しません。「軽くタッチする程度」の力加減を意識しましょう。鏡を見ながら、唇の力を抜いた状態を確認するのも有効です。
洗面所まで行くと練習が途切れてしまうので、机に置ける卓上ミラーがあると便利です。口の形と肩の位置を同時に確認できる大きさのものが使いやすいです。
息の量が足りない
息が少なすぎると唇が振動するだけの圧力が生まれません。しっかり腹式呼吸で息を送り出しましょう。ただし強すぎると唇が開いてしまうので、ちょうど良いバランスを探ることが大切です。
頬に手を添えてみる
どうしてもうまくいかないときは、両手の指を頬に軽く添えて、少し持ち上げるようにすると唇が振動しやすくなります。この補助を使いながら感覚をつかみ、徐々に手を離して練習していきましょう。この方法はボイトレ教室でもよく指導されるテクニックです。
タングトリル(巻き舌)で代替する
どうしてもリップロールが難しい場合は、舌を使った「タングトリル」で代替できます。「ルルルル」と巻き舌を振動させる方法で、リップロールと同様の効果が得られます。舌の方が振動させやすいという方も少なくありません。
🔇 練習できない理由の多くは、音
楽器が続かなかった理由を聞くと、才能でも根気でもなく「音を出せる時間が取れなかった」という答えが返ってきます。防音マットは完全な遮音にはなりませんが、床に伝わる振動を抑える効果が期待できます。気兼ねなく音を出せる時間を増やすところから始めてみませんか。



リップロールを活用した実践メニュー
基本のリップロールができるようになったら、以下のメニューを日々の練習に取り入れてみましょう。
ウォーミングアップメニュー(5分)
- 息だけのリップロール:30秒
- 低めの音でリップロール:30秒
- ドレミファソラシドを上行・下行:1分
- 好きな曲のメロディをリップロールで歌う:2分
- 高音域まで上げるリップロール:1分
曲を使った練習
練習中の歌をまずリップロールで1曲通して歌ってみましょう。これにより、歌詞や感情に左右されない状態でメロディの音程とリズムを確認できます。リップロールでスムーズに歌えるようになったら、実際に声に出して歌うと驚くほど楽に歌える感覚を味わえます。
このときリップロールと実声を録音して聴き比べると、どこで息が足りなくなっているかがはっきりします。スマホでも録れますが、通知で中断されないボイスレコーダーのほうが練習に集中しやすいです。


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リップロールと他の発声練習の組み合わせ
リップロールは単体でも効果的ですが、他のトレーニングと組み合わせるとさらに効果がアップします。
リップロール → ハミング → 実声の3ステップ
同じメロディを「リップロール→ハミング→実声」の順番で歌います。段階的に負荷を上げることで、喉に無理なく歌える状態を作ることができます。この3ステップは多くのボイトレ教室で採用されている基本メニューです。
リップロール → 母音発声
リップロールで喉を温めてから、「アエイオウ」の母音を使ったロングトーンに移行します。リップロールで整えた息の流れをそのまま実声に活かすことで、効率的な発声練習になります。
リップロールから実声までの流れを講師に確認してもらいたい方には、ナユタスという選択肢もあります。全国135校のボイトレスクールで、高校生〜大人の50分レッスンは月2回14,300円〜(税込)です。入会金は通常11,000円で、無料キャンペーンをしている校舎もあります。無料体験レッスンもあり、詳しくは公式サイトで確認できます。



リップロールの注意点
- やりすぎに注意:リップロールは喉への負担が少ないとはいえ、長時間続けると唇や口まわりの筋肉が疲れる。1回5分程度を目安にしよう
- 唇の乾燥対策:乾燥した唇ではうまく振動しない。水分補給やリップクリームで潤してから行うこと
- 周囲への配慮:リップロールはそこそこ音が出る。自宅で練習する際は、防音対策を忘れずに
集合住宅で夜に練習したい場合は、声をこもらせて音量を落とす消音マイクを使う方もいます。完全に無音になるわけではありませんが、時間帯を気にせず練習できる時間は増やせます。
よくある質問(Q&A)
Q. リップロールは毎日やった方がいい?
A. 毎日行って問題ありません。むしろ、歌う前のウォーミングアップとして日課にするのがおすすめです。特に朝起きてすぐの声が出にくい時間帯に行うと、喉がスムーズに目覚めます。
Q. リップロールだけで歌が上手くなる?
A. リップロールだけでは不十分ですが、発声の基礎力を底上げする効果は大きいです。他のトレーニング(ロングトーン、音階練習、実際の楽曲練習など)と組み合わせることで、総合的な歌唱力アップにつながります。
Q. リップロールとタングトリルはどちらが良い?
A. 効果はほぼ同じなので、やりやすい方を選べばOKです。理想的には両方できるようになることで、ウォーミングアップのバリエーションが増えます。
Q. 子供でもリップロールはできる?
A. できます。ただし、幼い子供は口周りの筋力が発達途上なので、最初は大人が見本を見せてあげると良いでしょう。遊び感覚で楽しみながら練習するのがポイントです。
まとめ
リップロールは、息のコントロール・喉の脱力・音域拡大・声帯のウォーミングアップと、発声に必要な要素を一度にトレーニングできる優れた練習法です。歌う前の30秒〜1分のリップロールを習慣にするだけで、声の出やすさが明らかに変わります。
できない方は頬に手を添える方法やタングトリルで代替しながら、少しずつ感覚をつかんでいきましょう。基礎練習を大切にすることが、歌の上達への近道です。
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参考:アミューズメントメディア総合学院「リップロールの練習方法」 / NAYUTAS「リップロールで歌声が変わる」 / Brush Voice「リップロールのやり方とコツ」
🚪 いっそ、防音室という手もある
本格的に練習時間を確保したいなら、簡易防音室という選択肢もあります。組み立て式で設置できるタイプなら、賃貸でも導入できる場合があります。時間帯を気にせず音を出せる環境は、それだけで練習量を変えます。



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