ドラムを始めたばかりの頃は「何から練習すればいいかわからない」という悩みがつきもの。ただ闇雲にドラムセットを叩いているだけでは、なかなか上達しないのが現実。
ドラムの上達には基礎練習の積み重ねが欠かせない。プロドラマーも毎日の練習ルーティンに基礎練を組み込んでいる人がほとんど。地味に感じるかもしれないけど、基礎がしっかりしているドラマーほど応用が利くし、演奏に安定感が出てくる。
この記事では、初心者が取り組むべき基礎練習メニューをステップ別にまとめた。練習パッドがあれば自宅でもできる内容が中心なので、スタジオに行けない日にも活用してほしい。

🥁 スタジオの日だけが練習日、を卒業しよう
ドラムは自宅練習の壁がいちばん高い楽器です。電子ドラムや練習パッドを使えば、音を抑えたまま手足の動きを固められます。スタジオに行ける日だけが練習日、という状態から抜け出せます。

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ドラム基礎練習の全体像|何をどの順番でやるべきか
初心者が取り組むべき基礎練習は、大きく分けて以下の5つ。
- シングルストローク(右左交互に叩く基本)
- ダブルストローク(片手で2回ずつ叩く技術)
- アクセント移動(強弱のコントロール)
- パラディドル(シングルとダブルの組み合わせ)
- ビートパターン(8ビート・16ビートなど)
上から順番に取り組んでいくのがおすすめ。シングルストロークが安定しないうちにビートパターンを練習しても、グダグダになってしまう。基礎を1つずつ固めていくことが、遠回りに見えて一番の近道になる。
シングルストローク|すべての基本になる練習
シングルストロークは、右手と左手を交互に叩くドラムの最も基本的な動作。「R L R L R L R L」という順番でスティックを振り下ろす。
練習の手順
メトロノームをBPM60(1分間に60拍)に設定して、4分音符のタイミングに合わせて右左交互に叩く。これが安定してきたら、同じテンポで8分音符(1拍に2回叩く)に切り替える。慣れたらBPMを5ずつ上げていこう。
意識すべきポイント
左右の音量差をなくすことが最も重要。多くの人は利き手の方が強くなりがちだけど、両手の音量を均一にそろえることで、演奏全体の安定感が格段に上がる。
また、スティックの高さも左右で揃えることを意識しよう。右手が高く振り上がっているのに左手が低いままだと、音量にバラつきが出る原因になる。


ダブルストローク|片手で2回叩く技術
ダブルストロークは、片手で連続して2回叩く技術。「R R L L R R L L」というパターンで練習する。ドラムロールの基礎にもなる重要なテクニック。
練習の手順
まずはBPM60からスタート。1打目はしっかり振り下ろし、2打目はバウンド(跳ね返り)を利用して叩く。1打目と2打目の音量を揃えるのが難しいポイント。
よくあるNG例
2打目を「押し込む」ように叩いてしまう人が多いけど、これだとスピードが上がったときに対応できなくなる。バウンドを活かして「跳ねさせる」イメージで練習するのが正解。
ダブルストロークは最初のうちは2打目が極端に弱くなることが多い。音量差が気になったら、テンポを落として1打目と2打目を同じ高さから叩く意識を持とう。
アクセント移動|強弱をコントロールする練習
アクセント移動は、特定の音だけを強く叩く練習。「タタタタ」の中の1つだけ「ターンタタタ」と強調することで、リズムに表情をつけるスキルを養う。
基本パターン
16分音符(1拍に4回叩く)を刻みながら、アクセント位置を1拍ずつずらしていく。
パターン1:アタタタ|アタタタ(1打目にアクセント)
パターン2:タアタタ|タアタタ(2打目にアクセント)
パターン3:タタアタ|タタアタ(3打目にアクセント)
パターン4:タタタア|タタタア(4打目にアクセント)
アクセントの音はスティックを高い位置(約30cm)から振り下ろし、それ以外の音は低い位置(約5cm)から叩くことで、メリハリのある演奏ができるようになる。
パラディドル|シングルとダブルの合わせ技
パラディドルは「R L R R L R L L」というパターンで、シングルストロークとダブルストロークを組み合わせた練習。ルーディメンツ(基本奏法のパターン集)の中でも特に重要なテクニックとして知られている。
なぜパラディドルが大事なのか
パラディドルをマスターすると、手順を入れ替えなくても自然にフレーズを展開できるようになる。たとえばドラムセットのタム回しやフィルインで、右手と左手の動きがスムーズにつながるようになるんだよね。
練習の進め方
まずはBPM60でゆっくり叩いて、手順を体に覚えさせる。慣れたらアクセントをつけて、1打目だけ強く叩く練習も加えていこう。パラディドルにはシングルパラディドル・ダブルパラディドル・トリプルパラディドルなどのバリエーションがあるけど、まずはシングルパラディドルを完璧にすることが先決。
ルーディメンツは種類が多いので、パターンがまとまった教則本を1冊手元に置いておくと練習メニューを組みやすい。


🔇 練習できない理由の多くは、音
楽器が続かなかった理由を聞くと、才能でも根気でもなく「音を出せる時間が取れなかった」という答えが返ってきます。防音マットは完全な遮音にはなりませんが、床に伝わる振動を抑える効果が期待できます。気兼ねなく音を出せる時間を増やすところから始めてみませんか。



8ビート・16ビート|基本のビートパターン
スティックコントロールの基礎が身についてきたら、いよいよドラムセットでのビートパターン練習に入ろう。
8ビート
ロックやポップスで最も使われる基本リズム。右手でハイハットを8分音符で刻みながら、左手でスネアドラム、右足でバスドラムを組み合わせる。まずは最もシンプルなパターンから始めて、バスドラムの位置を変えるバリエーションに広げていこう。
16ビート
8ビートよりも細かい音符で刻むリズムパターン。ファンクやR&Bでよく使われる。ハイハットを16分音符で叩くため、右手のスピードとスタミナが求められる。8ビートが安定してから挑戦するのがおすすめ。
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練習パッドの活用方法
ドラムの基礎練習は、必ずしもドラムセットがなくてもできる。練習パッドがあれば自宅でもスティックコントロールの練習が可能。
練習パッドのメリット
音が小さいので自宅でも使える。価格も2,000円から5,000円程度で手に入るものが多く、初期投資が少なくて済む。また、練習パッドは打面の跳ね返りが実際のドラムヘッドに近い設計になっているものが多いため、スティックのバウンドを活かした練習がしやすい。
おすすめの使い方
テレビを見ながら膝の上に置いて叩く、机の上に置いて叩く、専用スタンドに設置して叩く、など色々な使い方ができる。ただし正しいフォームで叩くなら、専用スタンドに設置して立って叩くか、椅子に座って適切な高さに調整するのがベスト。
メトロノームは基礎練習の必須アイテム
ドラマーにとってメトロノームは欠かせないツール。リズムキープの正確さを鍛えるために、基礎練習中は常にメトロノームを使おう。
おすすめのテンポ設定
初心者はBPM60からスタートして、正確に叩けるようになったら5ずつ上げていくのが基本。「速く叩けること」よりも「正確に叩けること」を優先するのが上達への近道。
スマートフォンの無料メトロノームアプリでも十分使える。「Smart Metronome」や「Pro Metronome」などが定評がある。
スタジオ練習が増えてきたら、電池式の据え置きメトロノームを1台持っておくと使い勝手が良い。
練習を録音して後から聴き返すのも効果的。自分では「合ってる」と思っていても、録音を聴くとズレていることがよくある。客観的にリズムの精度をチェックしよう。
初心者におすすめの練習メニュー例(1日30分)
仕事や学校で忙しい人でも取り組めるように、1日30分の練習メニューを紹介するよ。
- シングルストローク:5分(BPM60から始めて少しずつ上げる)
- ダブルストローク:5分(音量を揃えることに集中)
- アクセント移動:5分(4つのパターンを順番に)
- パラディドル:5分(ゆっくり手順を確認しながら)
- ビートパターン:10分(8ビートの練習+好きな曲に合わせて叩く)
時間がない日は、シングルストロークとビートパターンだけでもOK。大切なのは毎日少しでも触ること。週に1回3時間練習するより、毎日15分練習する方がはるかに上達が早い。


よくある質問
Q. 練習パッドだけで上手くなれる?
スティックコントロールの技術は練習パッドで十分鍛えられる。ただしドラムセット全体のバランス感覚(手足の連携、音量バランスなど)はドラムセットでないと身につかないので、月に数回はスタジオの個人練習を利用するのがおすすめ。
Q. メトロノームなしで練習してもいい?
基礎練習のときはメトロノームを使うことを強くおすすめする。リズム感は「感覚」ではなく「精度」の問題。メトロノームを使わないと、知らず知らずのうちにテンポが揺れるクセがついてしまう。
Q. どれくらい練習すれば曲が叩けるようになる?
個人差はあるけど、毎日30分の基礎練習を1ヶ月ほど続ければ、シンプルな8ビートの曲は叩けるようになることが多い。ただし複雑なフィルインやテンポの速い曲は、半年から1年くらいの基礎練習の積み重ねが必要になる。
Q. 基礎練習はいつまで続けるべき?
基礎練習に「卒業」はない。プロのドラマーでも毎日のウォーミングアップとしてシングルストロークやダブルストロークを取り入れている人が多い。レベルが上がるにつれて、同じ基礎練習でもテンポを上げたり、より細かいニュアンスを追求したりと、練習の質が変わっていく。
Q. フィルインの練習はいつから始めるべき?
8ビートが安定して叩けるようになったら、シンプルなフィルイン(タム回しなど)を組み合わせる練習に進んでOK。基礎練習とフィルインの練習は並行して行うのが効率的。ただしフィルインばかり練習してビートが崩れないよう、基礎練習の時間はしっかりキープしよう。
基礎練習を続けるためのモチベーション維持のコツ
基礎練習は地味な作業の連続だから、モチベーションを保つための工夫も大切。
練習記録をつけるのがおすすめ。その日のBPMや、うまくいったこと・課題を簡単にメモするだけでも、自分の成長を実感しやすくなる。スマートフォンのメモアプリでも十分。
好きな曲に合わせて叩く時間を必ず作ることも大事。基礎練習だけだと飽きてしまうので、練習の最後に好きな曲を流しながら叩く時間を設けよう。「この曲を叩けるようになりたい」という目標があると、基礎練習への取り組み方も変わってくる。
動画で他のドラマーの演奏を見るのもモチベーションアップに効果的。YouTubeにはプロドラマーの演奏動画や練習動画がたくさんあるので、目標にしたいプレイを見つけて「自分もこうなりたい」というイメージを持とう。
基礎練習の詳しい解説はドラマガWebのルーディメンツ解説や、mikkeのスティックコントロール練習ガイドも参考にしてみよう。また、練習パッドの選び方が気になる人はサウンドハウスの練習パッド一覧もチェックしてみて。
🚪 いっそ、防音室という手もある
本格的に練習時間を確保したいなら、簡易防音室という選択肢もあります。組み立て式で設置できるタイプなら、賃貸でも導入できる場合があります。時間帯を気にせず音を出せる環境は、それだけで練習量を変えます。



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