「歌うとどうしても鼻声っぽくなる」「こもった声で歌詞が聞き取りにくいと言われた」――鼻声は多くの人が抱える悩みですが、原因を正しく理解してトレーニングすれば改善できます。この記事では、鼻声の原因を2つのタイプに分けて、それぞれに効果的なボイトレ方法を詳しく解説します。

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鼻声には2つのタイプがある
ひと口に「鼻声」と言っても、実は原因がまったく異なる2つのタイプが存在します。自分がどちらに当てはまるか見極めることが、改善の第一歩です。
タイプ1:鼻が詰まって声がこもる(閉鼻声)
風邪を引いたときのような、鼻が詰まったこもり声がこのタイプです。鼻腔(鼻の空間)に空気が通りにくくなっているため、声が暗くくぐもった響きになります。鼻炎やアレルギーなど物理的な原因がある場合もあれば、発声時に軟口蓋(のどちんこ付近)が上がりすぎて鼻腔への通り道を塞いでいる場合もあります。
タイプ2:声が鼻に抜けすぎる(開鼻声)
声が鼻にかかりすぎて、鼻から息が漏れているようなタイプです。軟口蓋の閉鎖が不十分で、口に向かうべき空気が鼻に流れすぎてしまいます。日本語の「な行」「ま行」以外の音でも鼻に響きが集中してしまい、全体的にこもった印象になります。
簡単な見分け方:鼻をつまんだ状態で「あー」と発声してみましょう。鼻をつまんでも声がほとんど変わらなければ「閉鼻声」タイプ(すでに鼻を通っていない)です。鼻をつまむと声が大きく変わる・出しにくくなるなら「開鼻声」タイプ(普段鼻に抜けすぎている)の可能性が高いです。
タイプが分かったら、次はそれぞれに合った練習法を知る段階に入ります。軟口蓋や共鳴の話まで図解で載っているボイストレーニングの本があると、自分の課題と練習を結びつけやすくなります。
鼻声になる根本的な原因
発声における鼻声の原因は、大きく分けて「身体的な問題」と「発声技術の問題」の2つに分類できます。
舌の位置が適切でない
鼻声になる原因の多くは「舌のポジション」にあると言われています。舌が奥に引っ込みすぎると口腔内のスペースが狭くなり、声が鼻に逃げやすくなります。また、舌の根元に力が入りすぎると喉の開きが悪くなり、こもった声になりやすいです。
軟口蓋のコントロールが不十分
軟口蓋は口腔と鼻腔の境目にある柔らかい筋肉で、ここを適切に開閉することで声の響く場所をコントロールしています。この筋肉が弱かったりうまく使えていなかったりすると、鼻声になりやすいです。意識して使う機会が少ない筋肉なので、トレーニングで鍛える必要があります。
共鳴ポジションが偏っている
声は口腔・鼻腔・咽頭腔の3つの空間で共鳴します。歌うときにこのバランスが崩れて鼻腔にばかり響くと鼻声になってしまいます。共鳴のバランスを整えることが、鼻声改善のカギです。
身体的な原因(慢性鼻炎・アレルギーなど)
慢性的な鼻詰まりやアレルギー性鼻炎がある場合は、発声技術以前に鼻の通りが物理的に悪くなっています。この場合はまず耳鼻科を受診して鼻の状態を改善することが先決です。鼻の通りが良くなるだけで声の響きが変わるケースも多いです。
鼻声を直すボイトレメニュー
ここからは、鼻声を改善するための具体的なトレーニング方法を紹介します。毎日10〜15分の練習を2週間ほど続けるだけでも、変化を実感できるはずです。
トレーニング1:ハミングで鼻腔共鳴の感覚をつかむ
口を閉じて「ンー」とハミングします。このとき鼻の付け根や額のあたりがビリビリ振動する感覚があれば、正しく鼻腔共鳴ができている証拠です。ハミングで響きの感覚をつかんだら、そのまま口を開けて「ンー→アー」と変化させます。鼻の振動を維持しながら口から声を出す感覚を養いましょう。
トレーニング2:「ガ行」発声で軟口蓋を鍛える
「ガギグゲゴ」を大きく口を開けて発声します。ガ行は発声時に軟口蓋が大きく動く音なので、軟口蓋のコントロール力を鍛えるトレーニングとして効果的です。繰り返し練習することで、軟口蓋を意識的に上げ下げする感覚が身についてきます。
トレーニング3:鼻つまみ発声
鼻をつまんだ状態で「アエイオウ」と発声します。鼻に息が逃げないので、口腔だけで声を響かせる感覚を覚えることができます。ただし長時間やりすぎると喉に負担がかかるため、1セット30秒程度を3〜5セット行うくらいが適量です。
トレーニング4:あくび発声で喉を開く
あくびをするときの喉の開き方を意識しながら「ハー」と声を出します。あくびのフォームは喉が自然に大きく開くため、鼻声の原因となる喉の詰まりを解消するのに役立ちます。口の奥が大きく開いている感覚を保ちながら、そのまま歌のフレーズに移行する練習をしましょう。
トレーニング5:舌のストレッチ
舌を前に突き出して10秒キープ、次に上あごに舌先をつけて10秒キープ、さらに左右に動かします。舌の筋肉をほぐすことで、発声時の舌のポジションが安定します。毎日の練習前に行うウォーミングアップとして取り入れると良いでしょう。
舌の位置や口の開き方は感覚だけだと確認しづらい部分です。角度を変えられる卓上ミラーを練習スペースに置いておくと、口の中の状態を見ながらトレーニングできます。


タイプ別の改善アプローチ
閉鼻声タイプの改善法
閉鼻声タイプは、鼻腔の通りを良くすることが最優先です。鼻うがいや蒸気吸入で鼻の通りを物理的に改善しつつ、ハミングで鼻腔に声を通す練習を行います。軟口蓋を「下げる」意識を持って発声すると、鼻腔への空気の流れが確保されやすくなります。
本文で触れた鼻うがいには、専用の洗浄器と洗浄液が市販されています。使用方法や頻度は製品ごとに異なるため、必ず商品の説明に従って使ってください。鼻の症状が続く場合は自己判断せず、耳鼻科で相談することをおすすめします。
開鼻声タイプの改善法
開鼻声タイプは、軟口蓋を「上げる」トレーニングが中心になります。ガ行の発声練習や、鼻つまみ発声で口腔共鳴を強化します。また、「カ行」「タ行」「サ行」など鼻に抜けにくい子音を使った発声練習を重点的に行うと、口から声を出す感覚を取り戻しやすくなります。
🔇 練習できない理由の多くは、音
楽器が続かなかった理由を聞くと、才能でも根気でもなく「音を出せる時間が取れなかった」という答えが返ってきます。防音マットは完全な遮音にはなりませんが、床に伝わる振動を抑える効果が期待できます。気兼ねなく音を出せる時間を増やすところから始めてみませんか。



日常生活でできる鼻声改善習慣
ボイトレの時間以外にも、日常生活で鼻声改善に役立つ習慣があります。
- 鼻呼吸を意識する:口呼吸が習慣になっていると鼻腔の機能が衰える。普段から意識的に鼻で呼吸することを心がけよう
- 水分をしっかり取る:鼻腔や喉の粘膜を乾燥させないために、1日1.5〜2リットルの水分を目安に摂取しよう
- 部屋の湿度を管理する:乾燥した環境では鼻や喉が乾き、声にも影響が出る。湿度50〜60%を目安に加湿しよう
- 音読の習慣をつける:本や新聞の音読は、口周りの筋肉を動かすトレーニングになる。滑舌改善にもつながる一石二鳥の習慣だ
このうち湿度の管理は、道具があるかどうかで実行しやすさがかなり変わります。湿度表示の付いた卓上加湿器なら、練習スペースの数値を目で確認しながら調整できます。
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鼻声改善にかかる期間の目安
発声の共鳴ポジションが原因の場合、多くのケースで数週間〜2ヶ月程度で改善が見込めると言われています。もちろん個人差はありますが、毎日10分程度のトレーニングを続ければ、早い人で2週間ほどで声の変化を感じられるでしょう。
ただし、長年のクセが染みついている場合や、身体的な原因がある場合は時間がかかることもあります。改善のペースに焦らず、録音を活用して変化を確認しながら進めていきましょう。
鼻声は自分の耳で聴いている声と録音の声で印象が変わりやすいです。同じ機材・同じ距離で毎回録っておくと比較がしやすいので、専用のボイスレコーダーを1台決めて使う方法がとられています。
プロに相談するべきケース
以下のような場合は、独学での改善が難しい可能性があるので、ボイトレ教室や耳鼻科への相談をおすすめします。
- 3ヶ月以上トレーニングを続けても変化を感じない
- 慢性的な鼻詰まりがある
- 話し声でも常に鼻声になっている
- 副鼻腔炎やアレルギーの診断を受けたことがある
ボイトレの講師は一人ひとりの声質や課題に合わせたトレーニングを提案してくれるので、自己流で行き詰まったときの強い味方になります。
発声のクセを自分の耳だけで判断しにくいときは、ボイトレ専門のスクールで講師に声を聴いてもらう方法もあります。ナユタスは全国135校のボイトレスクールで、高校生〜大人の50分レッスンは月2回14,300円〜(税込)です。入会金は通常11,000円で、無料キャンペーンをしている校舎もあります。無料体験レッスンが用意されているので、詳しくは公式サイトで確認できます。





よくある質問(Q&A)
Q. 鼻腔共鳴と鼻声は何が違う?
A. 鼻腔共鳴は声を豊かに響かせるために鼻の空間を活用する正しい発声テクニックです。鼻声は意図せず鼻に音が偏ってしまうネガティブな状態を指します。鼻腔共鳴は口からもしっかり声が出ているのに対し、鼻声は口からの声が弱いという点が大きな違いです。
Q. 鼻声は歌だけの問題?普段の会話にも影響する?
A. 歌で鼻声が気になる人は、程度の差はあれ話し声にも影響していることが多いです。ボイトレで鼻声を改善すると、話し声の印象も良くなるという副次的なメリットがあります。
Q. 鼻声を直すと声質はどう変わる?
A. 鼻声が改善されると、声がクリアで通りやすくなり、声量も自然と上がる傾向があります。歌の場合は特に歌詞が聞き取りやすくなり、表現力の幅も広がります。
Q. カラオケで鼻声が目立つのはなぜ?
A. カラオケでは普段より高い音を出そうとして力むケースが多く、その結果として鼻声が強調されやすいです。また、マイクが中低音域を拾いやすい特性があるため、鼻にこもった音がより目立つことがあります。
このマイク越しの聴こえ方は、家で再現しておくと本番で慌てずに済みます。スピーカー内蔵のBluetoothカラオケマイクなら、スマホの音源に合わせて同じ条件を作れます。
まとめ
鼻声の改善は、まず自分がどのタイプかを把握するところから始まります。閉鼻声なら鼻の通りを良くするアプローチ、開鼻声なら軟口蓋を鍛えるアプローチが有効です。ハミング、ガ行発声、鼻つまみ発声などの基本トレーニングを毎日コツコツ続ければ、数週間で変化を実感できる人がほとんどです。
自己判断が難しい場合は、ボイトレ教室でプロの耳に聴いてもらうのが近道になります。鼻声が直ると歌も話し声も一段とクリアになるので、ぜひ今日からトレーニングを始めてみましょう。
参考:Beeボイススクール「鼻声の治し方」 / エニタイムミュージック「鼻声っぽくなる人向けボイトレ」 / コアミュージックスクール「鼻にかかる声の直し方」
🚪 いっそ、防音室という手もある
本格的に練習時間を確保したいなら、簡易防音室という選択肢もあります。組み立て式で設置できるタイプなら、賃貸でも導入できる場合があります。時間帯を気にせず音を出せる環境は、それだけで練習量を変えます。



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